アボルブ(一般名:デュタステリド dutasteride)

アボルブ(成分名:デュタステリド)は、AGAの主な原因物質である男性ホルモンの1種「DHT(ジヒドロテストステロン)」を生み出す「5α-還元酵素」を阻害する薬剤です。本来の用途は前立腺肥大症治療薬であり、英国の製薬会社グラクソ・スミスクライン株式会社が開発しました。アメリカにて2001年に前立腺肥大症治療薬として初めて承認を受け、2009年には日本でも承認を受けました。
※現在はアボルブジェネリック(デュタステリド)が発売されています。
アボルブ(デュタステリド)の効果
アボルブの主成分であるデュタステリドには5α-還元酵素を阻害する働きがあります。既存のAGA治療薬である「プロペシア(成分名:フィナステリド)」と同類の効果なのですが、フィナステリドが2種類(I型とII型)ある5α-還元酵素のうちII型にしか効果を発揮しないのに対し、デュタステリドは両方に効果を発揮します。つまり、AGA治療薬としてはデュタステリドの方が効果が高いと言えます。しかし、アボルブは前立腺肥大症の治療を目的としており、AGA治療薬としての服用は適応外処方になってしまいます。そこで、成分や効果効能はそのままに、AGA治療薬として承認を受けたのが「ザガーロ」という訳です。
アボルブの服用方法
アボルブは1日1回、1カプセル(0.5mg)を服用します。服用タイミングは特に定められておらず、食事の影響も受けません。十分な効果を得るためには毎日の服用が不可欠なので、飲み忘れには十分にご注意ください。タイミングを固定して服用を習慣化してしまうのもいいでしょう。
副作用と注意点
アボルブの副作用として勃起不全、性欲の減退、性欲の現状などが挙げられますが、いずれも発症率は高くありません。不安のあまりメンタル面を要因に上記症状が起きてしまうこともあるので、あまり過剰に気にしすぎず、何か不安なことがあれば医師へ相談してみましょう。また、厳密には副作用ではありませんが、アボルブの服用中は献血ができなくなります。プロペシアにも同じことが言えますが、こちらが1ヶ月の休薬期間で済むのに対し、アボルブは半年の休薬期間が必要になります。
ザガーロとアボルブの違い
どちらもデュタステリドを主成分としているため、容量が同じであれば作用機序及び効果効能に差は出ません。上述の通り、前立腺肥大治療薬かAGA治療薬かという適応症を除けば、両者の性質は全く同じであり、敢えて言えばパッケージやカプセルの外見が違う程度です。実際、ザガーロが登場するまではアボルブをAGA治療薬として服用するケースもありました。