AGA治療薬プロペシア詳細
| AGA治療薬プロペシア詳細 | |
|---|---|
| 薬剤名 | プロペシア |
| 製薬会社 | MSD社 |
| 有効成分 | フィナステリド |
| 薬剤画像 |  |
| 用量 | 0.2mg・1mg |
| 主な効果 | AGA治療（薄毛対策） |
| 主な副作用 | 性欲減退・勃起不全 |
| 薬剤の特徴 | ５年継続服用で治療実績98％ |
| デメリット | 服用中は献血不可 |
プロペシア（一般名：フィナステリド finasteride）
AGA（男性型脱毛症）は日本人男性のおよそ3人に1人に発症のおそれがあるとされており、現在でも非常に多くの方が悩まされています。MSD社が開発した「プロペシア（一般名：フィナステリド）」は、世界中でAGAに悩む男性たちの心強い味方となりました。この名称は「賛成の」を意味する接頭語「Pro」と「脱毛症」を意味する「Alopecia」合わせた造語であり、「脱毛症の方を擁護する」といった意味合いになります。名前やAGA治療薬としての人気の高さ・実績とは裏腹に、実はプロペシアは当初からAGA治療薬として開発されていたわけではなく、本来は主成分であるフィナステリドを用いた前立腺肥大症治療薬として開発が進められていました。開発途中で副効果であるAGAの抑制効果の方が注目されたことで、目的をAGA治療薬へとシフトし生まれたのがプロペシアというわけです。
プロペシアの評価は高く、日本皮膚科学会の定めるAGA治療ガイドラインにおいてもAランク（行うよう強く勧められる）を獲得しています。ただし、近年ではプロペシアの約1.6倍の効果を持ち、同じくAランク製剤であるデュタステリドが登場したことや、特許が切れており多数のジェネリック医薬品が販売されていることから、高価な先発品であるプロペシアを敢えて継続するケースはそう多くありません。より高い効果が期待できるデュタステリド製剤や、ジェネリック医薬品であるフィナステリド錠へと切り替える方が多数派のようです。特に治療費が嵩みがちなAGA治療において、安価でありながら同等の効果を得られるジェネリック医薬品を利用できるというのはデュタステリドにはない大きなメリットと言えるでしょう。
ヘアサイクルとプロペシアの効果
髪の毛はたとえ正常であっても一定期間で抜けてしまい新しい髪の毛へと生え変わります。髪の毛が生えてから成長しきり抜けるまでの流れを「ヘアサイクル」と呼び、2～6年の「成長期」→2週間～1ヶ月の「退行期」→3～4ヶ月の「休止期」をループします。AGAはヘアサイクルの周期が乱れ成長期が短くなり、髪の毛が十分に育ち切る前に抜けてしまうことで発生します。ヘアサイクルの乱れにはDHT（ジヒドロテストステロン）と呼ばれる男性ホルモンが大きく関わっているとされ、DHTは男性ホルモンの1種であるテストステロンが「5α還元酵素」の働きで変換されることで生み出されます。
プロペシアは5α還元酵素の働きを阻害することで、DHTの生産をストップさせます。するとヘアサイクルが正常に戻り、十分な成長期を得ることで髪の毛が健康に育つようになり、AGAが改善されます。プロペシアの改善効果は高いですが、十分な効果を発揮するまでには地道な服用を続けていかなくてはいけません。期間は症状や個人差によって異なってきますが、通常であれば半年から1年程度、効果の早い方であっても最低3ヶ月程度の期間が必要になります。また、十分に効果が出たからと言って服用を中止してしまうと、AGAが再発してしまうおそれがあることも注意しなくてはいけません。
プロペシアとミノキシジル
プロペシアの服用によりヘアサイクルが正常化しても抜け毛を防ぐだけであり、さらに積極的な発毛を促していかないとAGA治療としては不十分です。発毛を目的としたAGA治療薬として有名なのがミノキシジルで、血管拡張作用により髪の毛に十分な栄養を運び、生えてくる髪を太く、強く、抜けにくくしてくれます。プロペシアとは作用機序が異なっており、AGAの治療においてはどちらも欠かせません。両者の併用が効果的なことは医学的に証明されており、AGA治療ガイドラインにおいても推奨されているほどです。
プロペシアの服用方法
プロペシアは0.2mg錠と1mg錠があります。当然容量が大きい方が発毛効果が高く、副作用の頻度も変わらないため1mgが主流です。服用手順としては、1日1回、1錠を決まった時間に服用していただくのがお勧めです。プロペシアは食事の影響を受けず、服用すべき時間も定められていませんが、服用タイミングを揃えることで血中濃度が安定し、飲み忘れ防止にもなります。なお、1mg以上を服用しても効果が上がることはないので、飲み忘れた翌日に2錠まとめて服用するのは無意味です。
フィナステリドに過敏症の既往歴がある方や肝機能障害をお持ちの方、そして女性及び未成年の方はプロペシアを服用できません。特に女性の方は経皮吸収を避けるため触れることもできませんので、保管場所や管理方法には十分ご注意ください。また、プロペシアを服用中の方は献血ができません。献血のためには休薬期間を設け、体内から成分が完全に抜けきるのを待つ必要があります。具体的な休薬期間についてですが、日本赤十字社によれば1ヶ月間服用を控えれば問題ないとのことです。
プロペシアの副作用
プロペシアを服用すると、1%程度の割合で勃起不全や性欲減退などの症状が現れることがありますが、発症率の低さからプロペシアの服用による副作用であるとは断言できかねます。過剰な不安・心配は心因性のEDを招きかねないので、あまり深く考えすぎないようにしましょう。上記よりさらに稀なケースではありますが肝機能異常も報告されていますので、倦怠感、食欲不振、黄疸などの症状が現れた際は服用を中止し医師にご相談ください。
また、副作用とは異なりますが、一時的に抜け毛が増加する「初期脱毛」が現れる方もいらっしゃいます。ヘアサイクルが正常化するにあたって古い髪の毛が抜けるために起こると考えられており、薬剤が効果を発揮している証拠とも言えるため、独断で服用を中止することのないようにしてください。なお、初期脱毛の有無や期間については個人差があるため、初期脱毛が起きなかったからといって薬剤が効いていないということにはなりません。
プロペシアの通販や個人輸入代行
プロペシアやそのジェネリック医薬品であるフィナステリドは世界中で広く流通しており、インターネットを介して通信販売や個人輸入を利用すれば容易に入手できます。しかし、インターネット上で流通している薬剤は、製造元が不明であるなど安全性が確保されていないことが多く、大変危険です。安さやお手軽さを求めるあまり、最悪の場合健康被害を被るリスクを抱えるのは、明らかに割に合いません。AGA治療薬に限らず、偽造品の服用や、正規品であっても用法・容量を守らない服用はデメリットしか生み出しません。AGA治療をご希望の際は、必ず病院やクリニックなどの医療機関を受診し、医師の診断と処方を受けるようにしてください。
